被災三県における自殺者数の推移について(2013年9月までのデータ)

追記(2013年11月11日):
 グラフの元となるデータを地星社のサイトからダウンロードできるようにしました。被災三県の全市町村のデータをエクセルファイルにまとめていますので、ぜひそちらも参照してください。

被災三県での自殺者数の推移について(2013年9月まで) | 活動報告 | 地星社

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 被災地において自殺は増えているのか?

 内閣府の自殺対策のサイトで統計情報(自殺の統計 – 内閣府)が公開されており、月別のデータも入手できます。2013年の状況はどうなっているのか、調べてみました。

 13年については9月までのデータが出ているので、9月までの累計を9で除し、それを12倍して年換算値を出しています。被災三県の全市町村についてデータを調べましたが、以下のグラフで取り上げた市町はフダの主観で選んでいます。特に基準はありませんので、その点はご留意ください。また、男女合わせたデータを使用しましたが、男女別で調べるとまた違った傾向を見つけることができるかもしれません。

 結論についてすごくざっくり言うと、全般的には11年、12年は減って、13年でまた増えているという傾向があるようです。他の災害においても、災害の後しばらくは自殺が減り、その後増えていったという傾向があったようなので(話に聞いているだけで自分ではまだ詳しく調べてませんが)、今後、地域の実態に合わせたよりいっそうの自殺対策が必要になると思います。あと、ここでは取り上げませんでしたが、沿岸被災地以外で、自殺の多い地域があることに気づきました。被災地に目が向きがちですが、それ以外の地域にも多くの地域課題があることには留意しなければいけません。

岩手県

 あまり明確な傾向はありませんが、自殺は減ってきているように見えます。今後増加に転じないか注意深く見ていく必要があります。宮古市は11年、12年と減りましたが、13年になってまた増加に転じています。

岩手県主要被災地自殺者数
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宮城県

 11年、12年と減少していたのが、13年になって増加に転じています。非常時から平時となり、震災前の水準に戻ったとだけなのか、それとも今後も増加していくのか、注意してみていく必要があります。気仙沼市については、震災前よりも明らかに増加しており、いっそうの対策が求められます。仙台市若林区は、12年から13年の自殺者数が、今回取り上げた8地域の中では唯一減少しています。

宮城県主要被災地自殺者数
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福島県

 原発事故の影響もあり、福島県ではどこが被災地でどこが被災地でないかとも言い難いので、いくつかの市を選んでグラフにしました。減少もしくは横ばいといった感じでしょうか。

福島県主要都市自殺者数
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 福島、郡山、いわきという三大都市が入っていると小さい都市の自殺者数の推移がわかりにくくなるので、三大都市を除いたグラフもつくってみました。そうすると、沿岸部の相馬市では、12年にやや減少して13年に増加しており、宮城県沿岸部の被災自治体と同じ傾向があることがわかります。同じく沿岸部の南相馬市については横ばいのようです。

福島県内4都市自殺者数
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 原発事故のあった双葉郡での自殺者数について、積み上げ棒グラフにしました。震災後の自殺者数は減っていますが、居住地ベースのデータなので、住んでいる人が避難して大幅に減ったから統計上の自殺者数も減っているのではないかと思います。各地に避難している人はどうなっているかというのは別に調べる必要があるようです。ちなみに内閣府の自殺統計では、東日本大震災に関連した自殺者数のデータも公開しています(自殺の統計 – 内閣府の「最新の震災関連自殺者数」を参照のこと)。

福島県双葉郡自殺者数
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 被災三県全市町村のデータについては、地星社のサイトかどこかからのちほどダウンロードできるようにしたいと思います。

NPO法人の年間事務スケジュール

 シーズが東京都の事業で作成した「NPO法人年間スケジュール」のPDFがこちらのページからダウンロードできます。とても便利なので、プリントアウトしてときどき配ってるんですが、すぐページを見つけられるよう自分のブログからリンクしておきます。

東京都認定NPO取得サポート(東京都新しい公共支援事業・モデル事業) | NPOWEB
(年間スケジュールで検索)

クーポン利用で寄付ができる「ぼらチャリ」

 名古屋でやっているぼらチャリというチャリティキャンペーンについて、中日新聞が取り上げています。

中日新聞:クーポン利用で社会貢献 「ぼらチャリ」:暮らし(CHUNICHI Web)

 「ぼらチャリ」は、ボランティアの「ボラ」と、寄付を意味するチャリティーの「チャリ」を掛け合わせた言葉で、名古屋市などが主催。参加店は協賛金二万円を出し、各店で使えるクーポン「チャリぽん」と、NPOなどの活動内容紹介をまとめた冊子を主催者が作成。四万部を区役所や図書館などで配る。利用者は冊子を読んで応援したいNPOを選び、飲食店でクーポンと一体化した投票用紙で、NPOに投票。投票数に応じて、協賛金がNPOに配分される仕組みだ。

 ぼらチャリ実行委員会の事務局が名古屋市市民活動推進センターのようです。2012年はNPOが21団体、協賛店が44店参加し、約1ヶ月のキャンペーン期間で1768票が投票され、約54万円がNPOに寄付されたとのこと。手間を考えると54万円という寄付額は少ないかもしれないけれど、市民やお店に対するPRとしては大きいと思いますし、これを続けていくともっと広がっていくのではないかと。

 こういうのがどこかでできるといいなあと思います。

 ぼらチャリ2012のサイトはこちら。

社会貢献イベント「ぼらチャリ2012」

発達障害の子どもたち(杉山登志郎)

 地星社で活動するようになってから、以前よりも発達障害の話題に触れることが多くなりました。NPOの活動の現場により出向くようにしたこともありますし、子ども支援のNPOとかかわることも増えたからです。そこで改めて発達障害はいかなるものかを知るために、この本を手に取ってみました。

 著者は小児精神科医で、この本執筆時点の肩書きはあいち小児保健医療総合センター保健センター長。専門は児童青年期精神医学で、発達障害に関する著書も多数あるようです。

 この本は、専門家の立場から、自身がかかわった事例も紹介しつつ、発達障害について平易に解説しています。発達障害についてのさまざまな俗論についても、科学的な見地から著者の見解が示されています。

 読んで関心を持ったことをいくつか。自分のメモ的に書くので、自分以外の人にとっては説明が不十分でよくわからないかもしれませんが。

◯発達障害(developmental disorder)

 障害を英語で記すとdisorder。disは乱れを意味し、orderは秩序を意味する。発達障害はdevelopmental disorderで、英語のニュアンスからすると、発達障害は「発達の道筋の乱れ」あるいは「発達の凹凸」とのこと。知能を構成する能力の諸因子間のばらつきが大きく、そのため結果的に境界知能となることも多いそうです。

 著者による発達障害の定義は次の通り。

「発達障害とは、子どもの発達の途上において、なんらかの理由により、発達の特定の領域に、社会的な適応上の問題を引き起こす可能性がある凹凸を生じたもの」

◯発達障害の4つの分類

 著者は発達障害を4つのタイプに分類しています。

第1グループ…認知の全般的遅れ 精神遅滞、境界知能
第2グループ…社会性の障害 知的障害を伴った広汎性発達障害、高機能広汎性発達障害
第3グループ…行動のコントロールの障害 注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、発達性協調運動障害
第4グループ 子ども虐待

 子ども虐待が入っていることに驚くのですが、あとで1章分が子ども虐待のことに割かれています。

◯自閉症

 自閉症の社会性の障害について、著者は「自分の体験と人の体験とが重なり合うという前提が成り立たないこと」と表現しています。これはどういうことか。その一例として逆転バイバイという現象が紹介されています。

 健常児の場合、乳児期の後半からバイバイの真似をして手を振ることができます。しかし、自閉症児の場合、手のひらを自分の方に向けてバイバイをするそうで、これが逆転バイバイと呼ばれています。大人が赤ちゃんに手を振るとき、手のひらは赤ちゃんの方に向いています。だから、機械的にそれを真似るならば、自閉症児の方が正しいわけです。しかし、赤ちゃんでも、自分の体験と人の体験が重なり合うという前提があるため、通常は相手の方に手のひらを向けてバイバイをするのであり、自閉症児の場合はその前提が成り立っていないのです。

◯子ども虐待

 軽度発達障害は被虐待の高リスク要因であるが、一方で被虐待児は愛着障害に基づく多動性行動障害を中心とする臨床像を示すとのこと。著者の論文がネット上にあったので、リンクしておきます。

 「発達障害と子ども虐待」(PDF)

◯特別支援教育

 特別支援学校や特別支援クラスでの教員の専門性については課題があるようです。専門免許を持つ教員の割合が、特別支援学校では61パーセント、特別支援クラスでは30.8パーセント(いずれも2006年)とそれほど高くありません。しかも、この中には特別支援教員免許認定講習という短期の集中コースで免許を取得しているケースもあるということです。どう考えても高い専門性が求められる職業だと思うのですが、日本において特別支援教育はあまり重要視されていないということなのでしょうか。

 もうひとつ、著者の懸念として書かれていたのは、学校教育の現場にいる教師は、子どもたちのそだちに対し、成人まで責任を持つことが少ないから不適切な対応をしていても、それに気づかなかったり鈍感なのではないかということ。特に、子どものニーズを理解せずに通常学級に通わせようとすることについても、無責任な対応だと批判し、学校の選択にあたって大事な原則は「授業に参加できるかどうか」であると主張しています。

 教育関係者や子ども支援NPOなど、子どもにかかわるお仕事をしている人にはおすすめの一冊です。

自家用有償運送と、そうではない移動支援について

 自分用の情報のまとめとして。

道路運送法第2条第3項

 この法律で「旅客自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送する事業であつて、次条に掲げるものをいう。

ボランティア輸送の取扱いについて(道路運送法における登録又は許可を要しない運送の態様について)(復興庁)

地域の助け合い等による移動制約者の移送等の活動に対して支払われる対価の額が、実際の運送に要したガソリン代、道路使用料、駐車場代に限定されている場合。
(有料道路使用料、駐車場代にあっては、使用しない場合には徴収することができないものとして取り扱われることを要するものとする。)

自家用有償旅客運送について(国交省)

 福祉有償運送ガイドブック(PDF)へのリンクなど。

「行政がすべきことを住民に押し付けるのか!」にどう答えるか

寄りあいNIPPON 全体会の様子

寄りあいNIPPON 全体会の様子

 先日、寄りあいNIPPONというイベントに参加してきました。東日本大震災からの復興を通じて、東北から日本の未来を創造しようという趣旨で開催され、いくつかの分科会に分かれて参加者で議論を行いました。

 私が参加したのは「自立とコミュニティ」という分科会。沿岸被災地のある自治体での取り組み例が紹介されました。そこでは、いくつかの地区ごとに生活支援のセンターを設置しています。地域福祉と社会教育、地域保健の機能を兼ね備えたセンターのようで、行政窓口サービスも一部あるようです。そのセンター単位で、孤独死防止などを目的とした地域の見守りネットワークづくりをつくろうとしていて、8ヶ所のうち2ヶ所で見守りネットワークができたということでした。

 この自治体に限らず、今後の超高齢化社会においては、地域コミュニティという小さな単位の中で相互扶助の体制ができないと、福祉が成り立たなくなる地域が出てくるのではないかと思っています。そうした地域内相互扶助で間に合わない部分を、NPOや専門機関が担ったり、あるいは行政が担うという、いわば補完性の原理にもとづいた地域福祉のシステムをつくることが必要でしょう。福祉に限らず、まちづくりや防災、社会教育、環境保全、あるいはコミュニティビジネスなど地域が主体となり、担っていくというイメージです。

 しかし、分科会での議論に話を戻すと、住民主体の見守りネットワークを地域ごとにつくりませんかと役所の人が住民に話したら、「行政がすべきことを住民に押し付けるのか!」というような反発が起きて、そのためまだ8ヶ所中2ヶ所なのだとか。

 こういう反応が起きるのもわかるし、これはなかなか難しい問題です。役所のお仕着せで形だけ見守りネットワークをつくっても、あまり機能しないかもしれません。地域コミュニティの自発性に任せると、いつそれができるのかわかりません。役所が地域コミュニティに自発性が生まれるよう仕向けるというのもややどうかと思いますしね。

 地域コミュニティと行政との間で、地域課題への認識を共有し、その解決にあたっての役割分担を明確にするようにしないとだめなのでしょう。実際にそういう取り組みがなされている地域はありますから、そういう事例から学んでいくのがまずはよさそうです。

 あと、行政が主、住民/地域コミュニティが従といった図式を、双方が反転させないといけません。これは、地域経営の主体という意味での主と従です。行政がサービス提供者、住民/地域コミュニティが客という認識があるならば、それも変えていかないといけないということでもあります。

公共交通や移動支援に関する事例

 先日、東北大の大学院生の方と復興支援活動のことなどについていろいろ話していたら、被災地における移動支援のことにも話が及びました。そうしたら、各地の事例について教えてくださったので、こちらでも紹介します。

加古川市が実施している障がい者を対象とした移動支援事業

 市が障がい者の移動支援を制度化している例。

長岡市山古志・太田地区でのコミュニティバス事業

 中越地震の被災地で、かつ中山間地域におけるプロジェクト。NPOが5年間の期間限定でコミュニティバスを運行し、その後地元住民主体の組織に引き継ごうというもの。このリンク先は2008年の記事なので、その後どうなったのかが気になりますね。またあとで調べてみます。

徳島県上勝町での有償ボランティア輸送制度

 これはなかなかおもしろい取り組み。登録した有償ボランティアが自家用車で移動支援を行う。過疎地でタクシー業者も休業してしまったからこそできるのかもしれませんが、アイデアは参考になります。開始にあたって町が負担した費用は約5万円だけで、少ないコストでできそうなのもよいですね。

 なお、上勝町はゼロ・ウェイスト宣言をしている町として、環境問題に関心のある人たちの間では比較的知られた町です。環境だけでなく、他の政策でも先進的な取り組みをしているんでしょうね。

雲南市の「公共交通見直し・市民バス再編計画」

 小規模多機能自治を進めている雲南市での公共交通見直しの計画について。このページでリンクされている住民アンケート調査結果が、今後調査をやるとすれば参考になるのではということでした。