頼み上手、頼まれ上手


NPOが周囲の支援を得ながら活動を広げていくために重要な要素として、「頼み上手・頼まれ上手」ということがあるのではないかと思います。

以前、NPO法人ばざーる太白社会事業センターの代表理事の斎藤さんに、認定NPO法人取得のための団体運営の秘訣を伺ったら、斎藤さんは「私は「お願いの斎藤」と呼ばれてるから(笑)」と冗談めかしておっしゃってましたが、うまく人に仕事をお願いして助けてもらっているということでした。無理矢理仕事を押し付けるのではなく、受ける人にも斎藤さんにお願いされたからには引き受けようと思わせるような関係ができているのでしょうね。

またその一方で、斎藤さんは困っている方からの相談や頼みごとも真摯に引き受けているのではないかと、いろいろお話を伺っていて推察されました。

斎藤さんは会報を送るときに、100名を超える会員さん一人一人宛に手書きで一言メッセージを添えています。そういうことは大事だとはよく言われるけれど、それをやっている人はなかなかいないですよね。本当に一人一人の会員さん・関係者の方を大切にしているからこそできることです。

上手に頼み、上手に頼まれる。そういう関係性を丁寧につくっていく。地星社もぜひ見習いたいところです。まずは手書きメッセージからか。

取り組むべきコアの課題と、提供できるコアの価値は何か


 NPOにとって大切なことは、取り組むべきコアの課題と、それに対し提供できるコアの価値は何かということだと思う。

 対象と事業が比較的はっきりしている団体であれば、この問いに対する答えも出しやすいだろうけれども、多くの事業を手がけている団体や、中間支援団体にとっては答えるのが意外と難しいかもしれない。

 後者の問いについての、地星社の暫定的な答えは「社会をよりよくしようとしている人や組織を対象に、課題にフォーカスした個別支援を行い、社会変革につなげる」である。社会変革まで行っていないので、まだ提供できていないではないかと言われればその通りなのだが。

 もうちょっと、地星社が取り組むべきコアの課題と、提供できるコアの価値について考えてみたい。

現場の声を聞いているか


NPOの中間支援という仕事をしていると、普段接する層というのがかなーり偏るのではないかと思う。

相談対応とかでお話を伺うのは、代表や事務局長など団体のマネジメント層か、もしくは事務を担当している事務局スタッフである。NPOという狭い世界で、さらにそのマネジメント層か事務スタッフとしか接していないのだ。例えば、福祉系のNPOで高齢者のケアを担当している現場のスタッフに接するということはあまりない。

NPOの運営相談で接するのはマネジメント層でも、課題解決の答えを持っているのは現場スタッフだったりする。代表や事務局長の話と、現場の声はまた違うということも最近よくわかってきた。受益者や支援者の見方もまた違うだろう。

そういう多面的な捉え方をすることを、より意識しておかないといけないと思う。

社会の課題解決にチャレンジするのは市民の権利である


地星社は「社会をよりよくする活動を行っている人や組織を支援し、増やしていくことで、私たちひとりひとりが地域づくり・社会づくりにかかわっていく社会の実現する」ことを目的として掲げている。

ではなぜ、「私たちひとりひとりが地域づくり・社会づくりにかかわっていく社会」を目指すのか。それについてはこれまで、震災後の新しい地域づくりには住民ひとりひとりのかかわりが必要であるということや、少子高齢化の社会の中でそれぞれの主体の合意形成が重要になることなどを挙げてきた。

しかし、自分でそう言っていながらややしっくり来ていない部分もあって、もっと本質的なことがあるのではないかと問い直してみた。

ひとりひとりのかかわりが必要とか、それぞれの主体の合意形成が重要などと言ってしまうと、地域づくり・社会づくりに参加することが義務のように受け取られてしまう。

そうではなく、地域づくり・社会づくりに参加することや、社会の課題に取り組むことは市民の権利なのだ。社会をよりよくしたいと思った人が、そのために何かに取り組む。その権利を擁護する、権利の行使を支援するのが地星社の役割と考えるともっとしっくりきた。

故・加藤哲夫さんは「ポイ捨てごみを拾うのは、市民の権利だ」と言って、その例から市民の自発的な問題解決行動の意義を説いていらっしゃったがまさにそれだ。社会の課題解決にチャレンジするのは市民の権利で、地星社はその権利を擁護する存在なのである。

というわけで、今度からこっちの説明を使おう。