コミュニティオーガナイジングと社会運動

 ふらっとーほくの松島さんのお誘いで、コミュニティオーガナイジングの説明を聞く機会がありました。

ハフィントンポストでの紹介記事はこちら→「日本人に眠る能力を引き出したい」オバマ氏を大統領にした「コミュニティオーガナイジング」を広める鎌田華乃子さんに聞く「未来のつくりかた」

 コミュニティオーガナイジングを平たく言うと、社会運動すなわち市民による社会変革の手法を体系化したものとなるでしょうか。提唱者のマーシャル・ガンツ博士は60年代の公民権運動を始め、さまざまな草の根の市民運動に実際にかかわってきたそうです。2008年のアメリカ大統領選挙で、オバマの選挙参謀も務めたとのこと。さらに市民団体向けにコミュニティオーガナイジングのワークショップを開催しているそうです。

 それで思い出したのが国際青年環境NGOのA SEED JAPANが出していた本。『NGO運営の基礎知識』というタイトルで、今は絶版になっています。アマゾンのマーケットプレイスでお安く売っているので、NPOで活動している人だったら即買いすべし。

 A SEEDは、日本でようやくNPOという言葉が使われつつあった90年代から、市民活動のトレーニング手法をアメリカから学び、また自分たちでもプログラム開発を進め、それをまとめたのがこの本。98年に出された本ですが、内容的には今でもそれほど古びてないと思います。草の根市民団体や、学生団体などに特におすすめ。コミュニティオーガナイジングの手法とも重なる部分があるのではないかと思います。

 NPOで活動している人たちが、こうした社会運動の体系だった手法を学ぶのも大事ですが、社会運動そのものの理論を学ぶことも大事なのではないかと思っています。みんながみんな、小難しい理論を学ぶ必要はないですけど、概要くらいはね。

 大多数の人は知らないでしょうが、世の中には社会運動論という学問領域があって、実は私もそういうのをかじったことがありました。社会運動についてざっくりわかって読みやすい本と言えば、小熊英二さんの『社会を変えるには』が挙げられます。こちらはわりと最近出た本で2012年に出版されました。

 固い内容のわりにはけっこう売れたので、読んだことのある人や、名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。新書なのに500ページを超えているのでけっこう分厚いです 笑

 小熊さんは歴史社会学が専門で、社会運動論の専門ではないため、かえって説明がわかりやすくなっています。また、社会運動の背景となる社会思想とか科学技術社会論などについてもページが割かれていて、現在私たちがいる社会の位置が確認できます。

 自分自身でも再度読み直してみたいと思います。

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