とあるNPOのスタッフAさんが某行政に申請していた事業について、行政の担当職員から問い合わせを受けたとします。
担当職員 「講師の謝金、1回あたり◯万◯千円もするのですか? 大学教授にお願いするときの謝金より高いので、どうかと思ったんですが」
Aさん 「大学教授は、大学からすでにお給料が出てますよね。なので、謝金が安くても社会貢献価格で引き受けてくれるんですよ。今回の講師の方は、これ自体がお仕事ですので」
担当職員 「この講座、◯回やって、全部で謝金が20万円じゃないですか。一人の講師の方にそれだけの高額の謝金が行くのもどうかと。講師を毎回別の方にするとかはできませんか?」
Aさん 「一続きの講座なので、毎回別の講師というわけにはいかないのですが。あと、20万円で高額とおっしゃいましたけれど、この一連の講座を仮に年間10ヶ所でやるとしたら相当な労力ですよね。でも、この額だと年に10ヶ所でやっても200万円にしかならないわけですよ。講師の方がこの事業の公益性を考えてくれて、本来ならもっとかかるところを20万円にしてくれているんですが」
これは架空の例ですが、こういうやりとりが発生するのはNPOあるあるでしょうか?
さて、私がネットでググったところ、大学教授の平均年収は約1100万円とのこと。国公立か私立かや、年数、分野などでも幅はあるでしょうが、ここでは仮に1000万円とします。それで、講演料を仮に3万円とした場合、講演料だけで1000万円を稼ぐには何回講演をすればよいでしょうか?
1,000万円/30,000円=333.3回
これを12ヶ月で割ると…
333.3回/12ヶ月=27.8回/月
土日関係なく毎日講演をやるくらいで、ようやく大学教授の年間の給与相当に達しそうなことはわかりました。実際問題として、こういうペースで講演をやるのは無理でしょう。本業の仕事としてやった場合、講演料が3万円では大学教授レベルの年収を得るのは難しそうです。
社会貢献価格でも大丈夫な人と、それ自体がお仕事の人とへの報酬を、同じ土俵で比べるのは適切ではないと常々私は思っていますが、みなさんはいかがでしょうか?